技術コラム Column
制御盤・分電盤の銘板の種類|タイトル銘板・機器銘板・回路表示・警告表示の役割と素材の選び方

制御盤や分電盤には、盤の名称を示すタイトル銘板から、スイッチやランプの用途を示す機器銘板、ブレーカーの回路表示、感電注意の警告表示まで、役割の違う銘板がいくつも取り付けられています。1面の盤に数十枚の銘板が必要になることも珍しくなく、種類ごとに適した素材や加工方法を選ぶことが、見やすさと長持ちにつながります。
この記事では、制御盤・分電盤に使われる銘板の種類と役割を整理し、素材と加工方法の選び方、発注時に押さえておきたいポイントを、制御盤メーカーへの納品実績がある富山プレートが解説します。
制御盤・分電盤に付ける銘板の種類と役割
タイトル銘板(盤名称銘板)
盤の扉の上部などに取り付け、「第1動力制御盤」「電灯分電盤 L-1」のように盤の名称を示す銘板です。離れた場所からでも読めるよう、文字を大きく、コントラストを強くするのが基本です。素材や加工方法の違いは配電盤用タイトル銘板とは?樹脂製・金属製の違いと選び方で詳しく解説しています。
機器銘板(器具銘板)
扉面のスイッチ・押しボタン・表示灯・メーターなどの近くに取り付け、「運転」「停止」「電源」「故障」のように各機器の用途を示す小さな銘板です。1面あたりの枚数が最も多く、文字の内容も1枚ずつ異なるため、多品種を正確に作り分けることが求められます。
回路名称表示(ブレーカー表示)
分電盤の中でブレーカーごとに「1F照明」「空調室外機」など、どの回路につながっているかを示す表示です。盤内に取り付けるため、薄く小さな銘板やシールがよく使われます。
定格銘板・製造者銘板
盤の製造者名、製造番号、製造年月、定格電圧・電流などを記載する銘板です。記載する項目は仕様書や適用する規格によって異なります。項目の考え方は定格銘板に書くべき項目一覧をご覧ください。
警告表示・注意表示
感電の危険や、操作時の注意を知らせる表示です。色や表示の段階(危険・警告・注意)の考え方は警告ラベルとは|「危険・警告・注意」の違い、色の規格、素材の選び方で解説しています。
点検用のQRコード銘板
最近は、盤の図面や点検記録にスマートフォンでアクセスできるよう、QRコードを刻印した銘板を取り付けるケースも増えています。運用の設計は設備の点検・保全にQRコード銘板を使うで紹介しています。
制御盤の銘板に使われる素材
- アクリル二層板:表面の色層を彫って下の色を出す素材。「黒地に白文字」などをすっきり表現でき、機器銘板やタイトル銘板で広く使われます
- 塩ビ・ベークライトなどの樹脂板:電気を通さず軽いため、盤内や電装まわりに向いています。詳しくは配電盤・制御盤に使われる樹脂銘板とは?をご覧ください
- アルミ・ステンレス:丈夫で、屋外盤や油・熱のかかる環境に向いています。定格銘板やタイトル銘板でよく使われます
- メタルフォト:アルミの皮膜の中に表示を閉じ込めるため、屋外でも表示が消えにくく、長期間使う盤に向いています
- シール(塩ビ・LHコートなど):回路名称表示や小さな注意表示など、薄さと貼りやすさを優先したい場所に向いています
樹脂と金属の使い分けは樹脂銘板(アクリル・二層板)の選び方、メタルフォトの特徴はメタルフォトとはで解説しています。
設置環境別の選び方
- 屋内の一般的な盤:アクリル二層板や樹脂板への彫刻・印刷で十分な場合がほとんどです
- 屋外盤・キュービクル:紫外線や雨にさらされるため、メタルフォトやステンレスなど耐候性の高い素材を選びます。高電圧設備は電力・変電設備向けの銘板も参考にしてください
- 油やクーラントがかかる工作機械の盤:表面の印刷はこすれて消えやすいため、彫刻・レーザー刻印・裏刷りなど表示が表面に出ない方法を選びます
- 海沿い・薬品を使う工場:錆や変色に強い素材と、薬品に強い表示方法を組み合わせます
制御盤の銘板を発注するときのポイント
銘板リスト(銘板表)で内容をまとめて伝える
制御盤の銘板は枚数が多いため、「銘板番号・表示内容・サイズ・色・枚数」を一覧にした銘板リストで発注すると、間違いが起きにくくなります。盤の図面に銘板表が付いている場合は、そのままお送りください。
文字サイズとレイアウトをそろえる
同じ盤の中で文字の大きさや書体がばらばらだと、見た目が悪いだけでなく読み間違いの原因になります。考え方は銘板の文字サイズはどう決めると銘板のレイアウト設計で解説しています。
取り付け方法を決めておく
ビス止めか両面テープか、ビス穴の位置と径を事前に決めておくと、届いてすぐに取り付けられます。塗装面や曲面に貼る場合の注意点は銘板が貼れない・剥がれる原因と対策をご覧ください。
貼り間違いを防ぐ納品形態にする
似た内容の機器銘板が多い盤では、盤ごと・取付位置ごとに分けて納品してもらうと、現場での貼り間違いを防げます。工夫の例は銘板の納品形態と貼り間違い防止で紹介しています。
富山プレートの制御盤用銘板製作
富山プレートでは、制御盤メーカーや工作機械メーカーから、タイトル銘板・機器銘板・定格銘板・警告表示をまとめてご依頼いただいています。
- アクリル二層板・樹脂板・アルミ・ステンレス・メタルフォト・シールから、盤と設置環境に合わせて素材をご提案
- レーザー彫刻・レーザー刻印・UVインクジェット印刷・メタルフォトなど、表示方法を社内で使い分け
- 1枚ずつ内容の違う機器銘板や製造番号入りの定格銘板も、1枚から製作(可変データ彫刻)
- ビス穴加工や接着紙の貼り付けまで対応し、取り付けやすい状態で納品
- 盤内の絶縁カバーなど樹脂カバーもあわせて製作可能
よくある質問
Q. 1面分の機器銘板を数十枚、すべて違う内容で頼めますか?
はい、対応しています。銘板リストをいただければ、内容の違う銘板を1枚ずつ製作し、盤ごとに分けて納品することも可能です。
Q. 既設の盤の銘板が読めなくなったので、同じものを作り直せますか?
現物や写真から内容とサイズを確認して製作できます。文字が消えかけている場合の対応は銘板の文字が消える・読めない…原因とリニューアル方法をご覧ください。
Q. 急ぎで数枚だけ追加したい場合も対応できますか?
内容と数量によっては短納期で対応できます。急ぎの際に伝えていただきたい情報は銘板の短納期・特急製作で紹介しています。
制御盤・分電盤の銘板は、盤の種類と設置環境によって最適な仕様が変わります。銘板リストや図面、現物の写真をお送りいただければ、素材と加工方法をご提案します。お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。