技術コラム Column
二層アクリル板(2層板)とは|彫って文字を出す仕組み・色の組み合わせ・屋外で使えるか

配電盤のタイトル銘板や機器の名称表示でよく使われる「二層アクリル板(2層板)」は、表面と内側で色が違う樹脂板です。表面を彫ると下の色が現れるため、インクを使わずに文字や記号を表示できます。この記事では、二層アクリル板の構造と彫刻で文字を出す仕組み、色の組み合わせ、屋外で使えるかどうか、ほかの樹脂銘板との違いを解説します。
二層アクリル板とは
二層アクリル板は、ベースとなる板の表面に、色の違う薄い層を重ねた構造の樹脂板です。たとえば「黒の表層+白の芯」の板なら、表面を彫った部分だけ白が見え、黒地に白文字の表示になります。彫刻用の板として作られているため、「彫刻用二層板」「ラミネート板」などと呼ばれることもあります。
彫刻で文字が出る仕組み
表層はごく薄くつくられているため、浅く彫るだけで下の層の色が現れます。文字の色は印刷ではなく素材そのものの色なので、擦れや拭き取りで文字が消える心配が少ないのが特長です。
- レーザー彫刻:細かい文字やロゴに対応しやすく、データからそのまま加工できる
- 機械彫刻:カッターで彫るため、彫り跡がくっきりと出る
どちらの方法も、1枚ずつ内容が違う銘板を版なしで製作できるため、名称や回路番号が異なる銘板を多品種で揃えたい場合に向いています。
主な色の組み合わせ
二層板は、表層と芯の色の組み合わせでさまざまな表示をつくれます。よく使われるのは次のような組み合わせです。
- 黒地に白文字:配電盤・制御盤のタイトル銘板で定番の組み合わせ
- 白地に黒文字:明るい盤面や屋内の案内表示に
- 赤地に白文字:非常停止・注意など目立たせたい表示に
- 青・緑地に白文字:系統や用途ごとの色分けに
- 金・銀調の表層:社名表示やドアプレートなど意匠性を重視する場合に
用意できる色や板厚は板のメーカーや品番によって異なります。色の指定がある場合は、事前に見本でご確認いただくと安心です。
二層アクリル板が向いている用途
配電盤・制御盤のタイトル銘板
盤名や回路名、機器名を表示するタイトル銘板は、二層板がもっとも多く使われる用途です。軽量で加工しやすく、両面テープやビスで簡単に取り付けられます。盤の銘板の種類は制御盤・分電盤の銘板の種類、配電盤のタイトル銘板は配電盤用タイトル銘板とはで解説しています。
機器の名称・スイッチまわりの表示
操作スイッチの名称や、ON・OFFの表示など、小さな表示を多数揃えたい場合にも向いています。色分けを組み合わせれば、現場での誤操作の防止にもつながります。
屋内のドアプレート・案内表示
室名表示や案内表示など、屋内のサインにも使われます。金属に比べて軽く、コストを抑えやすいのも利点です。
屋外で使えるか
二層板は屋内での使用を前提とした製品が多く、屋外で使う場合は注意が必要です。直射日光が当たる場所では、紫外線によって表層の色あせや、樹脂の黄変・割れが起こることがあります。屋外用として耐候性を高めたグレードもありますが、金属の銘板に比べると長期の耐久性では劣ります。
- 屋内の盤や機械:二層板で十分な耐久性が得られる
- 屋外の盤や設備:屋外向けグレードを選ぶか、金属銘板を検討する
- 屋外で長期間使う表示:メタルフォトやステンレス銘板が候補になる
素材ごとの耐候性・耐薬品性の比較は銘板の耐環境性能を徹底比較で紹介しています。
ほかの樹脂銘板との違い
透明アクリルの裏刷りとの違い
透明アクリルの裏側に印刷する裏刷りは、フルカラーやグラデーションを表現でき、表面に光沢のある仕上がりになります。一方、二層板は色の組み合わせが決まっている代わりに、1枚ずつ内容を変える銘板をスピーディーに製作できます。裏刷りについては銘板の裏印刷(バックプリント)とはをご覧ください。
単色の樹脂板への印刷との違い
白や黒の樹脂板に印刷する方法は、色や表現の自由度が高い一方で、インクの擦れや剥がれに注意が必要です。二層板は文字が素材の色なので、拭き取りの多い場所でも文字が残りやすくなります。
樹脂銘板全体の選び方や金属銘板との使い分けは、樹脂銘板(アクリル・二層板)の選び方で詳しく解説しています。
発注時に決めておきたいこと
- 色の組み合わせ(地の色と文字の色)
- サイズと板厚
- 表示する文字・記号と、文字の大きさ
- 取り付け方法(両面テープ・ビス穴の有無と位置)
- 使用環境(屋内・屋外、油や薬品の有無)
- 数量と、1枚ずつ内容が違うかどうか
表示内容は、Excelの一覧表でいただければ多品種の銘板もまとめて製作できます。入稿の方法は銘板の入稿データ完全ガイドを参考にしてください。
富山プレートでは、二層アクリル板の彫刻銘板を1枚から製作しています。盤の銘板一式をまとめて揃えたい場合や、屋外で使えるかどうか迷う場合も、お気軽にご相談ください。