技術コラム Column
銘板で「白」をどう出すか|白インク印刷・黒アルマイトのレーザー刻印・二層板の彫刻の違いと選び方

銘板の色指定で、意外と難しいのが「白」です。「黒地に白文字にしたい」「白い板に黒で表示したい」というご要望は多いのですが、金属は素材そのものが白くないため、白を出すには印刷・塗装・樹脂などの方法を選ぶ必要があります。この記事では、銘板で白を表現する主な方法と、それぞれの耐久性・見え方の違い、用途に合わせた選び方を解説します。
なぜ銘板の「白」は難しいのか
アルミやステンレスの地色は銀色やグレーで、レーザーで刻印しても白くはなりません。黒アルマイトをレーザーで削ると文字は明るく見えますが、出てくるのはアルミ地の銀白色で、塗料のような真っ白とは異なります。また、白い表示は汚れや黄ばみが目立ちやすく、屋外では紫外線による変色にも気を配る必要があります。
そのため、「白」と一口に言っても、どの程度の白さが必要か、どこで何年使うかによって最適な方法が変わります。
銘板で白を表現する主な方法
白インクで印刷する(シルク印刷・UV印刷)
もっとも純白に近い白を出せるのが、白インクによる印刷です。黒や紺の板に白文字を印刷したり、白をベタで敷いてその上に色を重ねたりできます。透明なアクリルの裏側に白を刷る裏刷りにすれば、インクが表に出ないため擦れにも強くなります。
インクは表面に載る層のため、屋外での長期使用や、溶剤・摩擦の多い環境では劣化を考慮する必要があります。印刷方式の比較は銘板の印刷方法はどう選ぶ?、表刷りと裏刷りの違いは表刷りと裏刷りの違いで解説しています。
黒アルマイトや黒色素材をレーザーで削る
黒アルマイトのアルミ板をレーザーで削ると、黒地に明るい文字が浮かび上がります。インクを使わないため消えにくく、小ロットや1枚ずつ内容が違う銘板にも向いています。ただし、文字の色はアルミ地の銀白色で、印刷の白ほど白くはありません。「白文字」というより「黒地に明るい文字」と考えるとイメージに近くなります。
黒地の素材の違いは黒アルマイト・アベルブラック・黒塗装の違い、アルミへのレーザーの仕上がりはアルミへのレーザーマーキングで紹介しています。
二層構造の樹脂板を彫刻する
表面と内側で色が違う二層構造の樹脂板を使い、表面を彫って下の層の色を出す方法です。黒地に白文字、白地に黒文字などの組み合わせがあり、文字は素材の色そのものなので、インクのように剥がれる心配がありません。配電盤や制御盤のタイトル銘板などで広く使われています。詳しくは二層アクリル板とはをご覧ください。
白い樹脂板・塗装板に表示する
白地の銘板にしたい場合は、白いアクリルや塩ビの板、白く塗装した金属板に、黒や色で表示する方法があります。白地は文字が読みやすく、操作パネルや案内表示に向いています。
樹脂をレーザーで白く発色させる
一部の樹脂は、レーザーを当てると表面が白っぽく変化します。成形品に直接ロット番号などを入れたい場合の選択肢ですが、白さの度合いは樹脂の種類や色、添加剤によって大きく変わるため、テスト加工が欠かせません。樹脂・プラスチックへのレーザー刻印もあわせてご覧ください。
方法ごとの特徴を比べる
- 白インク印刷:白さはもっとも高い。屋外や摩擦の多い環境では劣化に注意
- 黒アルマイト+レーザー:消えにくく小ロット向き。文字は銀白色で純白ではない
- 二層樹脂板の彫刻:文字が素材の色なので剥がれない。屋外では樹脂の耐候性を確認
- 白い樹脂板・塗装板:白地の銘板に向く。汚れや黄ばみが目立ちやすい
- 樹脂のレーザー白化:成形品への直接表示向き。発色は素材次第でテスト必須
なお、メタルフォトは耐候性に優れた方式ですが、地色はアルミの銀色で、白は表現できません。屋外で長期間使う銘板で白にこだわる場合は、耐久性とのバランスを考えて方法を選ぶことになります。
用途別・白い表示の選び方
配電盤・制御盤のタイトル銘板
二層樹脂板の彫刻が定番です。黒地に白文字、白地に黒文字のどちらも選べ、1枚から製作できます。盤まわりの銘板の種類は制御盤・分電盤の銘板の種類で紹介しています。
機械の銘板・部品の表示
油や摩擦が多い環境では、黒アルマイトや黒色素材へのレーザー刻印が向いています。真っ白でなくても、黒地とのコントラストで十分に読みやすくなります。
屋外の案内板・サイン
白の印刷を使う場合は、裏刷りや保護層のある仕様を選ぶと長持ちしやすくなります。白地にするなら、汚れが目立ちにくい仕上げや設置場所の工夫も大切です。屋外での耐久性はUV印刷の耐久性を参考にしてください。
読みやすさを優先したい表示
文字の読みやすさは、色だけでなく文字の大きさや背景とのコントラストで決まります。白を使うかどうか迷う場合は、銘板の文字サイズはどう決めるや銘板のレイアウト設計もあわせて検討すると、見やすい銘板になります。
富山プレートでは、印刷・レーザー刻印・樹脂板の彫刻など複数の方法から、使用環境に合った白の表現をご提案しています。「この白で大丈夫か」というサンプル確認からご相談ください。