技術コラム Column
銘板のリベット止め|リベットの種類・下穴径・打ち方と外し方

銘板のリベット止めは、銘板と取付面の両方に穴をあけ、鋲(リベット)を打ち込むか、かしめて固定する方法です。接着紙やビスに比べて振動や熱で外れにくく、長く付けたままにする銘板に向いています。この記事では、銘板に使うリベットの種類、下穴径の決め方、取り付けの手順、外し方までを、銘板メーカーの富山プレートが解説します。
銘板をリベットで留めるのはどんなときか
リベット止めが選ばれるのは、一度付けたら外さない銘板です。定格銘板や製造者銘板のように、機械の寿命が尽きるまで同じ場所に残っていてほしい表示がこれにあたります。
- 船舶、鉄道車両、エンジンまわりなど、振動が続く場所
- 高温になる面や油がかかる面で、接着紙の粘着力が落ちやすい場所
- 屋外で長期間使う設備
- 付け替えや持ち去りを防ぎたい銘板
反対に、取付面に穴をあけられない場合(防水筐体、圧力がかかる容器、裏側に配線がある板金など)や、仕様変更で貼り替える前提の表示には向きません。接着紙やビスを含めた固定方法の全体像は銘板の取り付け方法と固定方法の選び方で整理しています。
銘板に使うリベットは主に3種類
打ち込み鋲(パーカー鋲)
下穴をあけ、ハンマーで叩き込むだけで固定できる鋲です。軸にらせん状の溝があり、打ち込むと溝が下穴に食い込みます。銘板の取り付け用として流通しており、鉄・真鍮・ステンレスの製品があります。取付面の裏側に手が入らなくても使えるため、鋳物や厚い鋼板に銘板を付けるときの定番です。
ブラインドリベット
リベッターという専用工具で、片側からかしめるリベットです。取付面が薄い板金で、打ち込み鋲では効きが足りない場合に使います。アルミ、スチール、ステンレスの製品があり、かしめられる板厚の範囲が製品ごとに決まっています。銘板と取付面を合わせた厚みが範囲から外れると、固定が甘くなります。
丸リベット(ソリッドリベット)
軸を裏側から叩いてつぶす、昔ながらのリベットです。裏側に当て金を当てる必要があるため、いまの銘板取り付けでは少数派ですが、古い機械の補修で同じ仕様を求められることがあります。
下穴径と穴位置の決め方
取付面にあける下穴
リベット止めの出来は、下穴径でほぼ決まります。小さすぎると鋲が入らず頭がつぶれ、大きすぎると効きません。
- 打ち込み鋲:呼び(サイズ番号)ごとに推奨下穴径が決められています。市販品の一例では、呼び#0で約1.6mm、#2で約2.2mm、#4で約2.6mmです。製品によって異なるため、使う鋲のメーカー値を必ず確認してください。
- ブラインドリベット:リベット径に0.1〜0.2mmを足した径が目安です。径3.2mmのリベットなら、下穴は3.3〜3.4mmになります。
銘板側にあける穴
銘板側の穴は、鋲の軸が無理なく通り、頭で確実に押さえられる径にします。軸より少し大きく、頭の径より十分に小さい穴です。穴が板の端に近すぎると、打ち込んだときに銘板が変形したり割れたりします。文字やQRコードにかからない位置で、四隅または左右2か所に配置するのが一般的です。穴径やザグリの指定方法は銘板の穴加工で詳しく説明しています。
既存の機械に付け替える場合は、いま付いている銘板の穴ピッチに合わせるのが基本です。取付面に新しい穴をあけ直さずに済みます。現物の寸法、または現物そのものを製作先に渡すと確実です。
リベット止めの手順
- 銘板を取付面に当て、穴位置に印を付ける
- 指定の径のドリルで下穴をあけ、バリと切り粉を取り除く
- 銘板の穴と下穴を合わせ、鋲を差し込む
- 打ち込み鋲は、頭が銘板に密着するまでハンマーで垂直に叩く。ブラインドリベットは、リベッターで軸が切れるまでかしめる
- 銘板の浮きやがたつきがないか確認する
薄いアルミ銘板は、強く叩きすぎると頭のまわりがへこみます。最後の数回は力を抜き、頭が当たったところで止めます。塗装面に下穴をあけた場合は、穴の縁から錆が出ないよう補修塗装をしておくと安心です。アクリルなどの樹脂銘板は打ち込みの衝撃で割れやすいため、ビス止めや接着紙のほうが向いています。
材質の組み合わせで気をつけること
銘板、鋲、取付面の金属が異なると、水分がある環境では接触部から腐食が進むことがあります。屋外や水のかかる場所では、できるだけ同じ系統の材質でそろえます。ステンレス銘板にはステンレスの鋲、真鍮銘板には真鍮の鋲を使うと、腐食の面でも見た目の面でも収まりがよくなります。
リベットで留めた銘板の外し方
リベットは外すことを想定していない固定方法なので、外すときは鋲を壊すことになります。
- 打ち込み鋲:頭をドリルでさらうか、タガネで頭を落として銘板を外します。残った軸は抜けにくいため、平らに削って別の位置に穴をあけ直すこともあります。
- ブラインドリベット:リベット径と同じくらいのドリルで頭をさらい、残った胴を裏側へ押し出します。
同じ穴を再利用すると効きが弱くなるため、一回り大きい鋲に替えるか、穴位置をずらします。点検や交換のたびに外す銘板なら、最初からビス止めにしておくほうが合理的です。表示が読めなくなった銘板の作り直しについては銘板の文字が消える・読めないときのリニューアル方法も参考にしてください。
リベット・ビス・接着紙の使い分け
- リベット:外さない前提の恒久固定。振動や熱がある場所に向く
- ビス:交換や点検で外す銘板。取付面にねじ穴が必要
- 接着紙:穴をあけられない面、平滑な面、屋内の機器。選び方は銘板の接着紙・粘着材の選び方を参照
接着紙で位置を決めてからリベットで2か所を留める、という併用もよく行われます。作業中に銘板がずれず、接着が弱っても脱落しません。
富山プレートのリベット穴付き銘板製作
富山プレート(富山県上市町)では、ステンレス・アルミ・真鍮などの金属銘板を、取付穴の加工まで含めて1枚から製作しています。穴の径と位置はデータどおりにレーザーで加工するため、既存の銘板と同じ穴ピッチでの作り直しにも対応できます。使用するリベットの種類が決まっていれば、それに合う穴径をご提案します。図面がない場合も、現物や寸法のメモからご相談ください。お見積りはお問合せフォームから承ります。