金属へのレーザーマーキング|3つの方式と、ステンレス・アルミ・真鍮・チタンの仕上がりの違い

金属へのレーザーマーキングとは、レーザー光で金属の表面を変化させ、文字や記号、QRコードなどを表示する加工です。インクを使わず素材そのものに表示するため、こすれや油で消えにくく、版も不要なので1個から加工できます。この記事では、金属へのレーザーマーキングの3つの方式と、ステンレス・アルミ・真鍮・銅・チタンの素材ごとの仕上がりの違い、依頼するときのポイントを解説します。

金属へのレーザーマーキングの3つの方式

金属へのレーザーマーキングは、表面をどう変化させるかによって3つの方式に分けられます。同じ素材でも方式によって見た目と耐久性が変わります。

1. 黒化(酸化による発色)

レーザーの熱で金属の表面に薄い酸化膜をつくり、黒や濃い色に変える方式です。表面をほとんど削らないため、手で触っても凹凸がなく、滑らかで上品な仕上がりになります。ステンレスやチタンでよく使われます。一方で変化しているのは表面のごく薄い層だけなので、研磨や強い摩擦を受ける場所では薄くなることがあります。

2. 彫り込み(刻印)

レーザーで金属を溶かして蒸発させ、表面に溝を彫る方式です。深さがあるため摩耗に強く、表面を研磨しても文字が残ります。彫った溝に塗料を入れて色を付けることもできます。長く使う工業銘板や、過酷な環境で使う部品の識別に向いています。

3. 表層除去

アルマイトや塗装、めっきなど、金属の表面にある層だけを取り除き、下地の色を出して表示する方式です。黒アルマイトに白い文字を出す、塗装した部品に番号を入れる、といった加工がこれにあたります。塗装面への加工は塗装済み部品へのレーザーマーキングで解説しています。

「黒い文字」でも、黒化・彫り込み後の着色・表層除去では耐久性が異なります。違いはレーザーマーキングの「黒」は3種類あるで詳しく比べています。

素材別の仕上がりの違い

ステンレス

黒化による黒い文字、彫り込みによる刻印のどちらにも向いた、最も扱いやすい素材のひとつです。黒化はステンレス表面の状態を変えるため、使用環境によっては錆びやすくなる場合があります。原因と対策はステンレスはレーザーマーキングすると錆びる?で解説しています。ステンレスの刻印全般はステンレスへのレーザーマーキングとはをご覧ください。

アルミ

生のアルミは黒く発色させにくく、白っぽい刻印になるのが一般的です。黒アルマイトや白アルマイトを施したアルミでは、皮膜を取り除いたり変化させたりすることで、はっきりしたコントラストが出ます。詳しくはアルミへのレーザーマーキングで解説しています。

真鍮・銅

レーザー光を反射しやすく、熱も逃げやすい素材です。彫り込みや表面を荒らしてつやを消す表現が中心になり、はっきりした黒を出すには条件の調整が必要です。真鍮の銘板は色の変化も起きるため、仕上げとあわせて検討します。詳しくは真鍮銘板の経年変化をご覧ください。

チタン

表面の酸化膜の厚みによって、黒のほか青や金色などの色を出せる素材です。軽く錆びにくいため、医療機器や精密部品の識別に使われます。

金属へのレーザーマーキングの主な用途

  • 銘板:型式、製造番号、定格などの表示。屋外や油のかかる環境でも消えにくい
  • 部品の識別:ロット番号、シリアル番号、QRコードやDataMatrixの直接刻印
  • 目盛り・スケール:計測機器や操作パネルの精密な目盛り
  • 記念品・名入れ:寄贈プレートやノベルティへの文字入れ

金属部品に刻印するコードの選び方はQRコードとDataMatrixの違い、読み取れるサイズはQRコード刻印の最小サイズで解説しています。スタンプやインクジェット、UV印刷など、レーザー以外の方法との比較は金属に印字する方法4種を比較をご覧ください。

依頼するときのポイント

  • 素材と表面処理を伝える:ステンレスでもヘアライン仕上げか鏡面か、アルミならアルマイトの有無と色で仕上がりが変わります
  • 求める耐久性を伝える:研磨される、薬品で洗浄する、屋外に置くといった条件があれば、黒化ではなく彫り込みを選ぶなど方式が変わります
  • 1個ずつ変わる内容を伝える:製造番号やQRコードなど部品ごとに内容が変わる場合は、データの受け渡し方法も相談しておくと効率よく進みます。詳しくは銘板の可変データ刻印をご覧ください
  • 実物で試し打ちする:同じ材質名でもロットや仕上げで結果が変わるため、量産前に実物で確認するのが確実です

富山プレートの金属レーザーマーキング

富山プレート(富山県上市町)は、1973年創業の銘板メーカーです。ファイバーレーザーマーカー、曲面にも印字できる3次元制御のレーザーマーカー、CO2レーザーとファイバーレーザーを切り替えられるハイブリッド機などを使い分け、ステンレス・アルミ・真鍮・銅・チタンなどの金属に刻印しています。銘板としての製作はもちろん、お客様の部品に直接刻印する支給材加工も1個から承ります。支給材への刻印は支給材への刻印サービスを、レーザーの種類の違いはファイバーレーザーとCO2レーザーの違いをご覧ください。

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