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工場の現場表示板をプレートで作る|配管識別・設備番号・5S表示の耐久化ガイド

工場の現場表示板をプレートで作る|配管識別・設備番号・5S表示の耐久化
工場の現場には、数えきれないほどの表示があります。配管の中身を示す識別表示、設備の号機番号、工具の定位置表示、立入注意の掲示。その多くが、ラベルライターのテープや、紙をラミネートしたものでまかなわれているのではないでしょうか。
手軽に作れる反面、油や薬品がかかる場所、屋外、高温になる場所では、数か月から1年ほどで剥がれたり、文字が読めなくなったりします。そのたびに作り直す手間を考えると、最初から金属や樹脂のプレートにしたほうが、結果的に手間もコストも抑えられるケースがあります。
このコラムでは、現場表示をプレート化するという選択肢について、どの表示が向いているか、どんな素材を選べばよいかを整理して解説します。
現場表示が消える・剥がれる主な原因
まず、現場の表示が使いものにならなくなる原因を整理します。原因が分かれば、どの表示をプレート化すべきかの判断がしやすくなります。
- 油・切削液の付着:粘着層が溶けて剥がれる、インクがにじむ
- 薬品・洗浄剤:印字面が侵される、変色する
- 高温:粘着材が軟化して剥離する、樹脂が変形する
- 紫外線:屋外や採光部で退色し、文字が読めなくなる
- 擦れ・接触:通路沿いや可動部付近で印字が削れる
- 結露・水濡れ:端部から水が入り、紙が波打つ
逆に言えば、こうした条件がない事務所内や倉庫の一部であれば、テープやラミネートで十分機能します。すべてをプレート化する必要はなく、環境が厳しい場所だけを選んで置き換えるのが現実的な進め方です。
プレート化が向いている4つの現場表示
1. 配管識別表示
配管の中を流れるものが何かを示す表示は、誤操作や事故の防止に直結します。蒸気・水・油・ガス・薬液といった内容物の区分は、日本産業規格でも識別表示の考え方が定められています。
配管まわりは高温になったり、結露で常に濡れていたり、屋外に露出していたりと、表示にとっては厳しい環境が揃っています。巻き付けタイプのテープが剥がれてしまう箇所では、金属プレートを結束バンドやビスで固定する方式が有効です。流れの方向を示す矢印も同時に表示できます。
2. 設備番号・号機表示
同型の設備が並ぶラインでは、号機番号の取り違えが作業ミスにつながります。保全記録や点検表と現物を紐づけるためにも、番号表示は消えないことが前提です。
1枚ごとに番号が変わる表示は、版を使わないレーザー刻印であれば、枚数が増えてもコストが跳ね上がりません。連番や飛び番号にも対応できます。詳しくは可変データ刻印をご覧ください。
あわせて二次元コードを刻印しておけば、スマートフォンやハンディターミナルで読み取って点検履歴を呼び出す運用にもつなげられます。コードの選び方はQRコードとDataMatrixの違いで整理しています。
3. 5S・定位置管理の表示
工具置き場、パレットの定位置、清掃区分、担当エリア。改善活動で運用されるこれらの表示は、貼り替えの頻度が高い一方、床面や台車まわりなど擦れやすい場所に置かれがちです。
定位置が固まった表示から順にプレート化していくと、剥がれた表示を作り直す手間が減り、現場の見た目も揃います。文字サイズやコントラストの決め方は銘板のレイアウト設計が参考になります。
4. 注意喚起・立入制限の表示
可動部への注意、高温部への接触注意、立入制限。安全に関わる表示は、読めなくなった時点で機能を失います。屋外設置や高温部の近くでは、素材から見直す価値があります。
製品に貼付する警告ラベルについては、PL法に対応した警告ラベルの記事で詳しく解説しています。
素材と工法の選び方
現場表示のプレート化では、環境の厳しさと必要な年数に応じて素材を選びます。
アルミ・アルマイト
軽量で加工しやすく、屋内の設備表示や5S表示に向いています。アルマイト処理により表面が硬く、油や水にも強くなります。コストと性能のバランスが取りやすい選択肢です。
ステンレス
洗浄が頻繁な工程、薬品がかかる場所、屋外の配管まわりに適しています。表面に黒色の酸化皮膜を成長させたアベルブラックであれば、塗装と違って剥がれる心配がなく、高いコントラストの表示を長く保てます。
樹脂・二層板
色分けが必要な表示や、軽量さが求められる箇所には樹脂プレートが向きます。表層と基材で色が異なる二層板を彫り込めば、下地の色が文字として現れるため、印刷と違って摩耗で消えることがありません。
メタルフォト
屋外や紫外線の強い場所で、長期にわたって表示を維持したい場合の選択肢です。画像がアルマイト層の内部に封じ込められているため、屋外でも25年の耐用年数を持ちます。詳しくはメタルフォトの解説記事をご覧ください。
フルカラー表示が必要な場合
配管識別の色区分や、ピクトグラムを使った表示など、色数が必要な場合はUVインクジェット印刷が適しています。金属にも樹脂にも直接印刷でき、少量からフルカラーで製作できます。
取り付け方法を決めてから発注する
現場表示は、貼る・留める・吊るすなど、設置箇所によって固定方法が変わります。発注時に取付方法まで決めておくと、後加工の手間がなくなります。
- 粘着貼付:平面に貼る場合。油や薬品がかかる環境では専用の接着材を選定します
- ビス留め:振動がある設備や屋外。穴位置と穴径を指定してください
- 結束バンド固定:配管や柵まわり。長穴やスリットを加工しておきます
- 吊り下げ:バルブや仮設表示。角に穴を追加します
粘着材の選び方は接着紙・粘着材の選び方、取付全般については銘板の取り付け方法で解説しています。
数量が多くても始めやすい発注の考え方
現場表示は、種類が多く1種類あたりの枚数が少ないという特徴があります。「10種類を各3枚ずつ」といった構成になりがちで、版が必要な加工方法ではコストが合いません。
レーザー加工やUV印刷は版が不要なため、種類が多くても、1枚ずつ内容が違っても、追加費用が発生しにくい加工方法です。1枚からの製作にも対応しています。小ロット製作の仕組みは小ロット・1枚からの銘板製作で解説しています。
また、一度に全部を置き換える必要はありません。剥がれる頻度が高い場所、読めなくなると困る場所から順に切り替えていけば、投資を分散できます。次回以降の追加分も、データを保管しておけば同じ仕様で再製作できます。
まとめ|貼り替えの手間を設計で減らす
現場表示の作り直しは、1回あたりは小さな作業でも、年間で積み上げると相当な工数になります。しかも、表示が失われている間は、識別ミスや確認の手戻りというリスクを抱えることになります。
環境が厳しい場所の表示から順にプレート化していくことで、この繰り返しを断ち切ることができます。どの表示から手を付けるべきか迷われる場合は、現状の写真をお送りいただければ、環境に合った素材と仕様をご提案します。
富山プレートは富山県上市町で、工業用の銘板・表示プレートを1枚から製作しています。配管識別、設備番号、現場改善の表示板まで、種類の多い小ロット案件にも柔軟に対応します。