アルマイト印刷とは|皮膜の中に表示を閉じ込める仕組みと、メタルフォト・レーザーとの違い

アルマイト印刷とは、アルミの表面につくる酸化皮膜(アルマイト)の中に、染料やインクで文字や図柄を入れ、封孔処理で閉じ込める表示方法です。インクが表面にのっているだけの印刷と違い、表示が皮膜の中にあるため擦れや薬品に強いのが特徴です。この記事では、アルマイト印刷の仕組みと種類、メタルフォトやレーザーマーキングとの違い、選ぶときの注意点を解説します。

アルマイトとは

アルマイトは、アルミを電解液の中で電気分解し、表面に人工的な酸化皮膜をつくる処理です。正式には陽極酸化処理と呼ばれます。できた皮膜は硬く、アルミ素地よりも傷や腐食に強くなります。

アルマイト皮膜には、目に見えないほど細かい穴が無数に並んでいます。この穴に染料を吸わせると色が付き、そのあと穴をふさぐ「封孔処理」を行うと、色が皮膜の中に閉じ込められます。黒や青、赤などのアルミ部品は、この仕組みで色を付けています。

アルマイト印刷の仕組み

アルマイト印刷は、この「穴に色を入れて封じる」性質を利用します。封孔処理の前に、文字や図柄の部分だけに染料やインクを入れ、最後に封孔して表示を皮膜の中に固定します。

その結果、表示の上には透明な皮膜があり、指や布が触れても文字そのものは擦れません。溶剤で拭いても落ちにくく、表面は平らなままです。工業用の銘板や、計器の目盛り板、家電や音響機器の操作部などに使われてきました。

アルマイト印刷の主な種類

印刷染色

シルクスクリーン印刷などで、封孔前の皮膜に染料を刷り込む方法です。文字や図柄の部分に色が入り、封孔で固定されます。版をつくるため、同じ図柄を数多く作る場合に向いています。

染め分け(多色アルマイト)

マスキングを使って部分ごとに染める色を変える方法です。地色と文字色を別の色にしたい場合などに使います。工程が増えるぶん、色数が多いほど手間とコストがかかります。

メタルフォト(写真感光式)

皮膜の中に感光材料を含ませたアルミを使い、写真と同じように露光・現像して画像をつくり、封孔する方法です。細かい文字やバーコード、グラデーションまで皮膜の中に再現できます。屋外で長期間使う銘板や、耐久性の求められるQRコードプレートに採用されています。仕組みと耐久性はメタルフォトとはで詳しく解説しています。

ほかの表示方法との違い

アルミ銘板に文字を入れる方法は、アルマイト印刷のほかにもあります。表示がどこにあるかで比べると違いが分かりやすくなります。

  • アルマイト印刷・メタルフォト:表示が皮膜の中にある。擦れや溶剤に強く、表面が平ら
  • アルマイト面への表面印刷(シルク・UV):表示が皮膜の上にのる。色の自由度が高く小ロットに向くが、摩擦の影響を受ける
  • アルマイト面へのレーザーマーキング:皮膜を変質・除去して表示する。インクを使わず、黒アルマイトに白い文字を出すといった表現ができる。詳しくはアルミへのレーザーマーキングをご覧ください

黒い銘板に白文字を入れたい場合の素材比較は黒アルマイト・アベルブラック・黒塗装の違いで、銘板の印刷方式全体の比較は銘板の印刷方法の選び方で整理しています。

アルマイト印刷を選ぶときの注意点

使える素材はアルミだけ

アルマイトはアルミ特有の処理のため、ステンレスや真鍮には使えません。アルミの中でも合金の種類によって皮膜の仕上がりや色の入り方が変わります。

屋外では色によって退色しやすい

染料で色を付けるアルマイトは、紫外線で色があせることがあります。退色の程度は染料や色によって異なるため、屋外に設置する場合は色選びに注意が必要です。長期の屋外使用では、メタルフォトのように耐候性の実績がある方式が候補になります。

後から内容を変えられない

表示が皮膜の中に封じ込められるため、あとから一部だけ書き換えることはできません。製造番号など1枚ずつ内容が変わる項目は、レーザーマーキングで後から入れる方法もあります。可変データの入れ方は銘板の可変データ刻印で解説しています。

富山プレートのアルミ銘板製作

富山プレート(富山県上市町)は、メタルフォトを製造する認定工場です。アルマイト皮膜の中に画像を封じ込めるメタルフォトに加え、アルマイト材へのレーザーマーキングやUVインクジェット印刷にも対応しています。「屋外で20年以上使いたい」「製造番号だけは1枚ずつ変えたい」といった条件をお聞かせいただければ、方式の組み合わせからご提案します。アルミ銘板の全体像はアルミ銘板とはをご覧ください。

お問合せ お問合せ