高精度レーザー加工によるSUS製シムプレート製作(0.01mm~1mm)|版代不要で試作に最適








高精度レーザー加工によるSUS製シムプレート製作(0.01mm~1mm)|版代不要で試作に最適


高精度レーザー加工によるSUS製シムプレート製作(0.01mm~1mm)|版代不要で試作に最適

半導体製造装置や精密機器の開発において、シムプレートの試作は避けて通れない工程です。しかし、従来のフォトエッチング加工では高額な版代が必要となり、試作段階でのコスト負担が大きな課題となっていました。

弊社では、高精度レーザー加工機を用い、板厚0.01mm~1mmまでのSUS製シムプレートを製作しています。最大の特長は、フォトエッチングで必要となる版代が不要な点です。そのため、初期投資額を大幅に抑えることができ、試作・評価用途に最適です。

本記事では、レーザー加工によるSUS製シムプレートの特徴、フォトエッチングとの比較、具体的な活用事例、発注時のポイントまで、詳しく解説します。

レーザー加工によるSUS製シムプレートとは

シムプレートの役割と重要性

シムプレート(調整板)とは、機械部品の隙間調整や位置決めに使用される薄板部品です。精密機器では、数ミクロン単位の調整が製品性能を左右するため、高精度なシムプレートが不可欠です。

主な用途:

  • 半導体製造装置の精密位置決め
  • 光学機器のレンズ間隔調整
  • 医療機器の組立調整
  • ロボットアームの隙間調整
  • 精密測定器の校正用スペーサー
  • 航空宇宙部品の厚み調整

レーザー加工の基本原理

レーザー加工は、高エネルギーのレーザー光を集光し、材料を溶融・蒸発させることで切断や穴あけを行う加工方法です。

弊社のレーザー加工機の特徴:
  • 高精度:ビーム径が非常に細く、微細加工が可能
  • 非接触加工:工具が直接触れないため、変形やバリが最小限
  • CADデータ直接加工:版や金型が不要
  • 多様な形状対応:複雑な輪郭や内部穴あけも自在

対応可能な仕様

項目 仕様
材質 SUS304、SUS316、SUS430など
板厚 0.01mm~1mm
加工精度 ±0.05mm(板厚0.1mm以上)
±0.02mm(板厚0.1mm未満、条件による)
最小穴径 板厚の1.2倍程度(例:0.1mm厚なら φ0.12mm)
最小スリット幅 板厚の1.5倍程度
最大加工サイズ 300mm × 300mm(機種により異なる)
表面処理 バレル研磨、電解研磨、パシベート処理など(オプション)

フォトエッチングとレーザー加工の徹底比較

SUS製シムプレートの製作方法として、従来はフォトエッチング(化学エッチング)が主流でした。ここでは、両者の特徴を詳しく比較します。

項目 レーザー加工 フォトエッチング
初期費用 版代不要 版代が必要
試作コスト 低い(1枚から対応可) 高い(版代が必須)
納期 短納期対応可能 版製作含め時間がかかる
最小ロット 1枚~ 通常50枚~(版代の都合上)
設計変更 即対応可能 版の再製作が必要
複雑形状 ◎ 高精度で対応 ○ 対応可能
加工精度 ±0.02~0.05mm ±0.05~0.1mm
適した用途 試作・少量・短納期 量産・大ロット

レーザー加工が特に優れているポイント

✓ 版代不要で初期コストを大幅削減

フォトエッチングでは版代が必要ですが、レーザー加工ではCADデータから直接加工するため、版代がゼロです。試作段階で複数の形状を試したい場合、コスト差は顕著です。

✓ 図面変更に即対応

設計変更があった場合、フォトエッチングでは版を作り直す必要がありますが、レーザー加工ならCADデータを修正するだけで即座に対応できます。開発のPDCAサイクルを高速化できます。

✓ 1枚からの小ロット対応

「まず1枚試したい」「5種類の形状を各2枚ずつ」といった少量ニーズにも柔軟に対応可能です。

✓ 短納期での製作

版製作の時間が不要なため、短納期での納品が可能です。急ぎの試作評価に最適です。

フォトエッチングが優れているポイント

△ 大量生産時のコストメリット

数百枚~数千枚の量産では、版代を回収できるため、1枚あたりの単価はフォトエッチングの方が安くなります。

使い分けの目安:

  • 試作・評価フェーズ → レーザー加工
  • 形状変更の可能性あり → レーザー加工
  • 少量生産(~100枚程度) → レーザー加工
  • 量産確定(500枚以上) → フォトエッチング
  • 超短納期 → レーザー加工

レーザー加工ならではの強み:3つの特性

1. 複雑形状・微細形状への対応

レーザー加工は、ビーム径が非常に細いため、以下のような複雑な形状にも対応可能です:

  • 微細な穴あけ:φ0.1mm程度の小径穴も加工可能
  • 複雑な輪郭:曲線や細かい凹凸も高精度で再現
  • 内部抜き:複数の内部穴や窓を同一プレート内に
  • スリット加工:狭いスリット幅も対応
  • 非対称形状:左右非対称な特殊形状も問題なし
加工事例:

半導体装置用位置決めシム
板厚0.05mm、外形15mm×20mm、中心に複数の小径穴(φ0.2mm×8箇所)を配置。位置精度±0.02mmで製作。従来のプレス加工では金型製作に時間とコストがかかるため、レーザー加工で試作から量産まで対応。

2. 少量・短納期での製作

開発プロジェクトでは、「すぐに試したい」「複数パターンを比較したい」というニーズが頻繁に発生します。

レーザー加工は版製作の時間が不要なため、フォトエッチングと比べて大幅な納期短縮が可能です。特に試作段階では、この迅速さが開発スピードに直結します。

少量対応の実例:

  • 1枚のみの試作:小ロットでも柔軟に対応可能
  • 5種類×各3枚:異なる形状を一度に製作、比較評価が可能
  • 追加発注:前回と同じデータで追加製作もスムーズ

3. 図面変更への柔軟な対応

試作段階では、実機確認後に「ここをあと0.2mm広げたい」「穴の位置を少しずらしたい」といった微調整が頻繁に発生します。

レーザー加工の柔軟性:

  • 即座に図面修正対応:CADデータを修正するだけ
  • 追加コストなし:版の再製作費用が不要
  • スピーディな検証:修正→製作→評価のサイクルを高速化

実際のお客様の声:
「試作1回目で形状を確認後、3箇所の寸法を微調整。レーザー加工なら追加費用なしで即対応してもらえたため、開発スケジュールを短縮できました」(精密機器メーカー・設計担当者様)

SUS製シムプレートの材質と板厚の選び方

SUS材の種類と特徴

材質 特徴 適した用途
SUS304 最も一般的なステンレス
耐食性・加工性に優れる
コストパフォーマンス良好
一般的な環境での使用
食品機械、医療機器
汎用精密機器
SUS316 SUS304より耐食性が高い
海水や薬品に強い
モリブデン添加で錆びにくい
海洋環境、化学プラント
医療用インプラント周辺
半導体製造装置(薬液環境)
SUS430 磁性を持つステンレス
SUS304より安価
耐食性はやや劣る
磁石との組合せが必要な箇所
コスト重視の用途
屋内環境での使用

板厚の選定ガイド

シムプレートの板厚は、求められる調整精度と強度のバランスで決まります。

板厚別の特徴と用途:

極薄(0.01mm~0.05mm)

  • 非常に微細な隙間調整
  • 光学機器のレンズ間隔調整
  • 精密測定器の校正
  • ※取り扱いに注意が必要、変形しやすい

薄板(0.05mm~0.2mm)

  • 精密機器の位置決め
  • 半導体製造装置の微調整
  • 医療機器の組立調整
  • バランス良い強度と調整精度

中厚(0.2mm~0.5mm)

  • 汎用的な隙間調整
  • ロボットアームの隙間調整
  • 自動車部品の組立調整
  • 取り扱いやすく実用的

厚板(0.5mm~1mm)

  • 高負荷がかかる箇所の調整
  • 大型機械の位置決め
  • 強度が必要なスペーサー
  • 変形しにくく耐久性高い

板厚と精度の関係

板厚が薄いほど、レーザー加工の精度が向上します。ただし、薄すぎると熱変形のリスクが高まるため、用途に応じた最適な板厚選定が重要です。

板厚 加工精度 熱変形 強度
0.01~0.05mm ±0.01~0.02mm やや発生しやすい 低い
0.05~0.2mm ±0.02~0.03mm 管理可能 中程度
0.2~0.5mm ±0.03~0.05mm ほとんどなし 高い
0.5~1mm ±0.05mm なし 非常に高い

活用シーン:「まず試したい」から始まる開発

ケーススタディ1:半導体製造装置の試作開発

背景:
次世代半導体製造装置の開発プロジェクト。ウェハーステージの精密位置決めに使用するシムプレートの最適形状を検証する必要があった。

課題:

  • 10種類以上の形状パターンを試したい
  • 各パターン5枚ずつ必要(組付け評価用)
  • フォトエッチングでは版代が高額
  • 開発スケジュールがタイト

解決策:レーザー加工の採用

  1. 第1回試作:5パターン×各5枚をレーザー加工で製作
  2. 評価・改良:実機で評価し、2パターンに絞り込み
  3. 第2回試作:改良版2パターン×各10枚を追加製作
  4. 最終確定:最適形状を決定後、量産はフォトエッチングへ移行
導入効果:

  • 版代不要で試作コストを大幅削減
  • 開発期間を短縮
  • 複数パターンの比較検証が可能に

ケーススタディ2:光学機器メーカーの形状最適化

背景:
カメラレンズモジュールの組立調整用シム。レンズ間隔を0.01mm単位で調整する必要があり、最適な形状を試行錯誤で見つけたい。

プロセス:

  1. 初期設計:板厚0.05mm、外径18mm、内径12mmの円環形状
  2. 試作1回目:レーザー加工で10枚製作
  3. 実装評価:組付け時に内径がやや大きいことが判明
  4. 即座に修正:内径を11.8mmに変更、再製作
  5. 試作2回目:改良版10枚で評価→最適形状を確定
お客様の声:
「図面修正から再製作まで迅速に対応してもらえたので、開発のPDCAを高速で回せました。フォトエッチングだと版の作り直しに時間がかかるため、この迅速さは大きなメリットです」

ケーススタディ3:医療機器の急ぎの追加製作

背景:
既に量産中の医療機器に使用しているシムプレート。組立ラインで在庫切れが発生し、緊急で20枚必要になった。

対応:

  • 過去のCADデータを使用
  • レーザー加工で即日製作開始
  • 短納期で納品完了
レーザー加工のメリット:
フォトエッチングの場合、少量でも版をセットする必要があり、納期がかかる。レーザー加工なら少量でも短納期で対応可能。

発注時のポイントと注意事項

図面・データのご提供方法

スムーズな製作のため、以下のデータ形式でご提供ください。

  • 推奨データ形式:DXF、DWG、IGES、STEP
  • PDFでも可:寸法が明記されていれば対応可能
  • 手書き図面:寸法が明確であれば対応可(要相談)
図面に記載すべき情報:
  1. 外形寸法:全体のサイズ
  2. 穴径・位置:穴がある場合は寸法と位置を明記
  3. 板厚:必須(例:t=0.1mm)
  4. 材質:SUS304、SUS316など
  5. 表面処理:必要であれば(バレル研磨、電解研磨など)
  6. 公差:特に重要な寸法の許容差
  7. 数量:必要枚数
  8. 納期:希望納期があれば

加工精度に関する注意点

レーザー加工は高精度ですが、物理的な限界もあります。以下の点にご注意ください。

加工精度の制約:

  • 最小穴径:板厚の1.2倍程度が下限
    (例:0.1mm厚なら最小φ0.12mm)
  • 最小スリット幅:板厚の1.5倍程度が下限
  • 角R:レーザービーム径の関係で、完全な直角は困難
    (微小なR0.05mm程度が残る)
  • 熱影響:極薄板(0.01mm~0.03mm)では、わずかな熱変形の可能性
    (治具固定で最小化)

上記の制約事項については、事前にご相談いただければ、代替案や最適な加工方法をご提案いたします。

見積もり・発注の流れ

  1. お問い合わせ:図面データまたは仕様をご連絡
  2. 技術確認:製作可否と最適な仕様を検討
  3. お見積もり:数量・納期・オプション含めてご提示
  4. ご発注:お見積もり内容にご承認いただき次第、製作開始
  5. 製作:レーザー加工にて製作
  6. 検査・出荷:寸法検査後、梱包・出荷
  7. 納品:指定場所へお届け

よくあるご質問

Q1:最小ロットは何枚からですか?

A:1枚から対応可能です。「まず1枚試したい」というご要望も大歓迎です。少量だからといって割高になることはありませんので、お気軽にご相談ください。

Q2:図面がまだ確定していませんが、相談できますか?

A:はい、可能です。概略図や手書きスケッチの段階でも、技術的なアドバイスや実現可能性の確認を行います。「こういう形状は可能か?」といったご相談も歓迎です。

Q3:急ぎで必要なのですが、対応可能ですか?

A:形状や数量にもよりますが、短納期対応も可能です。お急ぎの場合は、お問い合わせ時に納期をお知らせください。可能な限り対応いたします。

Q4:図面変更があった場合、追加費用はかかりますか?

A:レーザー加工では版が不要なため、図面変更による追加費用は発生しません。CADデータを修正するだけで、即座に新しい形状で製作できます。試作段階での形状変更が多い場合に、大きなメリットとなります。

Q5:0.01mmの超薄板は本当に加工できますか?

A:はい、実績があります。ただし、0.01~0.03mmの極薄板は取り扱いに注意が必要で、わずかな熱変形が発生する可能性があります。治具で固定するなど、対策を講じて加工いたします。事前に用途をお知らせいただければ、最適な加工方法をご提案します。

Q6:SUS以外の材質にも対応していますか?

A:SUS(ステンレス)以外にも、以下の材質に対応可能です:

  • アルミニウム(A5052、A1050など)
  • 銅(C1020、C1100など)
  • 真鍮
  • チタン(要相談)

材質によって加工条件が異なりますので、詳しくはお問い合わせください。

Q7:表面処理は必須ですか?

A:いいえ、必須ではありません。試作・評価用途であれば、無処理で問題ない場合がほとんどです。以下の場合は表面処理をおすすめします:

  • 組付け時に干渉が気になる場合
  • クリーンルームで使用する
  • 腐食環境で使用する
  • 長期保管が必要

Q8:CADデータがないのですが、PDFや手書き図面でも大丈夫ですか?

A:はい、PDFや手書き図面でも対応可能です。寸法が明記されていれば、弊社でCADデータを作成いたします(形状によっては作図費用が発生する場合があります)。不明点があれば、お電話やメールでご確認させていただきます。


まとめ:試作・評価フェーズには「レーザー加工」が最適

高精度レーザー加工によるSUS製シムプレート製作は、以下の特徴から、試作・評価フェーズに最適な選択肢です。

  • 版代不要:初期費用を大幅削減、試作コストを抑制
  • 短納期:版製作が不要で迅速に対応
  • 少量対応:1枚から製作可能、複数パターンの比較も容易
  • 図面変更に即対応:追加費用なしで形状変更が可能
  • 複雑形状対応:微細穴・複雑輪郭も高精度で加工
  • 板厚0.01mm~1mm:幅広い板厚に対応

こんな開発フェーズに最適:

  • 「まず1枚試して、形状を確認したい」
  • 「複数パターンを比較検証したい」
  • 「形状を詰めながら最適化したい」
  • 「急ぎで試作品が必要」
  • 「量産前に少量で実機評価したい」

お問い合わせ・お見積もり

SUS製シムプレートの試作・製作に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

  • 無料見積もり:図面から迅速に回答
  • 技術相談:加工可否・最適仕様のご提案
  • サンプル製作:まずは試作1枚から
  • 短納期対応:お急ぎの場合もご相談ください

開発のスピードアップとコスト削減に、レーザー加工をぜひご活用ください。

お問い合わせフォーム
お電話でのお問い合わせ:076-472-3422

お問い合わせ先:

株式会社富山プレート
〒930-0363 富山県中新川郡上市町和合31-1
TEL: 076-472-3422
FAX: 076-472-3461
メール: info@t-pla.co.jp
営業時間: 平日 8:30~17:30


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